はじめに
実習十日目、本日はマーケティングについてセミナーを受けました。
Web担当者として求められる人材はどのような人だと思いますか?というテーマから始まった今回のセミナーでしたが、その中でも私が気になった消費者の購買行動プロセスについて調べたので、それをまとめたいと思います。
購買行動(消費行動)プロセスとは
生活者及び消費者が、サービスや製品を購買する際に、それをどのようにして認知し、購買に至るかという心理的なプロセスを表したモデルのことです。
従来では、AIDMAと呼ばれる1920年代にアメリカで定評された消費者の心理プロセスを表したものがマスマーケティングの代表的な手法として非常に効果的だったのですが、近年ではそれがAISAS理論に取って代わられつつあります。
※AIDMAの法則
1.Attention(認知)
2.Interest(関心)
3.Desire(欲求)
4.Memory(記憶)
5.Action(行動:購買する)
AISASに取って代わられつつあるとは言うものの、現在でも高齢者向けの製品・サービスにおいては、テレビCMや新聞雑誌広告も効果的であるとされています。
AISAS理論とは
さて、前述したAIDMAに取って代わっているという理論がこのAISAS理論なのですが、こちらは電通が提唱したもので、インターネットの普及後の時代の新しい購買行動を表しているモデルになります。
AISASでは、購買行動プロセスを以下の5つで表しています。
- Attention(認知)
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Action(購買)
- Share(情報共有)
AISASで想定される消費者の行動は、認知、関心の過程を経た後、自ら検索し、行動・購入し、最後に情報の共有を行います。
現代では、従来のゴールだった「Action(行動・購買)」の後の「Share(情報共有)」をゴールに設定したマーケティングを考えなければならなくなっています。
では、AIDMAを経て新たに加わったAISASのプロセスについてそれぞれ解説していきたいと思います。
Attension(認知)と Interest(興味・関心)
購買行動プロセスの第一には、雑誌やテレビ、ネットなどのメディア媒体から、製品・サービスの存在を認知するところから始まります。
そして生活の日々の中で目にする大量の情報から、認知した製品・サービスを自分に関係あるものとして興味を持つことで初めて購入するかどうか検討する段に移ります。
Serch(検索)
AISASにおけるSerchとは、製品やサービスに関心を持った消費者が、購入前にインターネットで検索し、情報を調べてみる、というプロセスのことです。
自分に当てはめて考えてみても、今となっては現代人が最早無意識に行っているプロセスなのではないかと思います。何か製品やサービスを購入しようとしたとき、スマートフォンを使って評判や価格、口コミなどを調べることは当たり前になっている人も多いのではないでしょうか?
Action(行動・購買)
関心を持ち、検索した結果自分の必要な物だと判断した消費者が、実際に製品・サービスを購買するプロセスです。
このプロセス内の購入に至るステップを如何に簡略化し、消費者がスムーズにActionを起せるかが重要になります。このプロセスが満たされなければ、どれだけマーケティングしたところで何の意味も持たないため、非常に重要な役割を持ちます。
Share(情報共有)
Shareとは、その意味する通り共有することです。購入した製品・サービスの評価や感想を共有するプロセスになります。
これまた自分に当てはめてみても、購入した製品・サービスの質が良いにしろ悪いにしろ、何かしらの感想を自ら発信することがあると思います。かつてはブログやホームページなどでしたでしょうが、現代は特にTwitter、Instagramなどの代表的なSNSで発信する人が多いと思います。インスタ映えという言葉が生まれ、流行ることからも、この共有のプロセスを経る人々が現代において主流となっていることに納得出来るかと思います。
※ただし、全ての購買行動がAISASで説明出来るわけではありません。コンビニのおにぎりやサンドイッチ、自販機のドリンク等のように、少額で購入の結果が失敗であってもダメージが少ない製品やサービスは、Serch(購入前に検索したり)、Shere(購入後に情報共有することは少ないと考えられています。
まとめ
さて、この新たな二つのプロセスを加えたAISAS理論が、現代のマーケティングの手法として用いられています。インターネットが普及し、人々のメディアとの接触の仕方が昔と違って一方的でなくなった現代において適正な購買モデルであることが分かると思います。
前述したとおり、全ての消費者の行動をこのAISAS理論で説明出来るわけではありません。しかし、新たな事業、製品を売り出すにあたり、このAISAS理論を用いて各プロセス毎に適切なプロモーションを行うことが可能になります。
それを踏まえた上で、顧客に取って魅力のある製品・サービスの提供、ひいてはウェブサイトの制作をすることが理想だと思います。
余談
余談ですが、調べていく内にこのAISAS理論も既に古い考えであるという主張があることを知りました。
DUAL AISASやSIPSがそれに当たるわけですが、それらの言うところでは、AISAS理論におけるShareのプロセスがあまり現代の考え方に即していないということです。
AISASでは、ShareはActionを起した後に行われると定義していますが、現代では必ずしもそうなるとは言えず、購買の前段階でShareを行う消費者が多くなっています。
そのようなプロセスの存在を新たに提唱したものが、AISAS理論に新たな軸を加えたDUAL AISAS、よりソーシャルメディアに焦点を当てた購買モデルを提示したSIPS
となっています。
情報があまりに多く、そして加速して流れていく時代。如何にそれを分析し、論理立てて市場の流れを見極めることにより適切なプロモーションを都度行っていく。
そのマーケティングのスキルが現代のWEB担当者に求められているものなのだと思いました